2013年10月13日日曜日

飲み終わるまで置けない

先日、東京ミッドタウンにあるサントリー美術館に行ってきました。

実は北京時代に、ここを設計された建築家の隈研吾氏にインタビューをさせていただくというスゴイ機会があり、そのときから行ってみたいなと思っていたのです。

現在の展示は、「酒器のある情景」。
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_4/index.html
(お酒が好きな私にはぴったり)

不透明な素材だったガラスで作られた、銀化した古代の杯から、現代の作家による家で今すぐ使いたいようなコップまで、飽きることなく見ました。グラスって美しい。

銀化というのはローマ時代やササン朝ペルシャ時代などのガラスに見られる現象で、土や砂の中で化学変化を起こしたガラスがいろいろな色の膜を形成するそうです。とても綺麗でした。

金曜日だったので8時まで開館していて、日が暮れてからお酒の器をたのしむという贅沢を味わうことができました。お酒が好きな人、ガラスが好きな人、歴史が好きな人におすすめです。

余談。
今回初めて知ったのですが、底がとがっていて飲み干すまで置けない杯のことを「可杯(べくはい)」というそうです。以前、屋久島・鹿児島を旅行したときに「ソラキュー」というぐい呑みを発見して、すごいアイデアだと思ったけど、実は世界中にずっと昔から存在しているようです。こんなことを思いついた古代の人に思いを馳せると、なんだか親しみがわきました。